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「千思万考」ブログサイトの試験的に設置されたブログです。 いつの日にかのための設置なので、それまで試験的にUPしていきます。
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大切だった人を失った時、自然に涙が流れてきた。

静かに

自分が流しているとも気が付かずに

そして、泣いてるのに気が付いた時にその人を失った悲しみに気が付く。



『5年目の恋』⑧




[宮城へ

宮城がこの手紙を見てる頃、俺は宮城の傍にはいません。
何も言わず突然いなくなってごめん。
宮城と離れてて、やっと気が付いた。
俺と宮城は年も離れてて、考え方の違いから無意味な言い争いもする。その度に宮城に迷惑かけてしまってた。
もう限界だって気が付いたんだ。この関係が長くは続くわけない。きっとこの先辛くなる日はくるから。

俺は宮城から何も奪いたくないんだ。俺は宮城の好きな仕事に並べるくらい立派な人間じゃない。いつかお互いの存在で苦しむようになったら、それはとても辛くて悲しいこと。
俺はそんなの嫌だから、そうなる前に宮城から離れるね。

だから俺と別れてください。

いままで、ありがとう。

高槻忍]



忍からの手紙。
破られたその手紙は、俺の部屋のゴミ箱に捨ててあった。

涙のあともあった、苦しくて切なくて涙が出るくらいなのに、忍は俺に別れを告げる手紙を書いたんだ。


この手紙を見たとき足から崩れ落ちた。

冗談だと思った。
嘘だと。

だけどやっと足が動かせるようになって、隣の部屋に行けば家具も何もない。
初めから忍はいなかったかのように、誰もいない静かな部屋。


手紙は忍が俺の前からいなくなったことを教えてくれた。

だけど何故離れた?

俺の仕事か?

俺は仕事なんか投げ出したっていいくらいお前を大切に思っているのに。

お前の気持ちはどうなんだ?

俺のことが嫌いになったのか?

限界で、一緒にいるのも辛いくらい、だったのか?

この4年、その事ばかり考えてた。
本当は離れたのは俺のためで、忍は辛い決断を一人でしたのではないか。


手紙を読むたびに、忍の気持ちが分からなくて。
知りたかった。




ヴヴヴ…ヴヴヴ…

携帯のバイブが着信を知らせた。

ディスプレイを見てみれば、『忍』と表示されていた。

何年ぶりかに表示される名前。

電話に出てみた。

「宮城っ!どうしよう…」

電話に出るなり忍の叫び声が飛び込んできた。
それは焦りと不安の声。
何事かあったのか聞けば、震えた声でこたえた。

「美和が…美和が倒れたっ」

美和さんが?
いったいどうしたんだ?

急なことで気が動転しそうになったが、今は忍が気になった。

動揺している忍は焦って混乱している。

「忍、とりあえず救急車を呼べっ!」

「え?…」

「俺もすぐ病院に行くから。」

「う、うんわかったっ」

忍に指示をし電話を切り、急いで公園から出て病院へ向かう。




つづく。


************************
今回の連載小説、宮城と忍の絡み少ないですね(´・ゝ・)
書くたびに最初の構想とはかけ離れてきます。
さて、次に終わる予定です(´∀`)

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